[帰還試験問題]その1

2003年6月13日
ユウクたんに脅迫されたのでUP
文字数オーバーですなw
 


[ラーメンを食べながら]ふと思い出した。
彼女は元気にやっているだろうか
思えば酷い分かれ方をした

「貴方なんて、戦争で死んでしまえばいいのよ」




「おい 聞いてるのか?」
はっと我に返った
「ああ 悪い なんだっけ?」
相棒のダンデリオンはやれやれといった感じだった
「ボーっとするなよ これからブリーフィングだろ?」
「ちょっと国のことを思い出してな」
箸を置きタバコに火を点け、しみじみと相棒は言った
「次の作戦が終われば俺たちも国に[帰還]だしなぁ そう言えばお前、彼女と別れたらしいな はは ざまあ見ろ」
多少ムカッと来て言ってやった
「お前なんか別居してる嫁さんに連絡取るのも、[素敵な弁護士]様を通さないと電話すら出来ないんだろうが」
すると額に手を当て、まるで他人事のように
「あいたたた それを言うなよ」と笑い放った
「お前はホントに軽いんだなぁ 良いのかよ」
「まあ次の作戦が終わったら だ。行こうぜ、そろそろ時間だ」
俺の肩を叩きながら食堂を後にする

これが最後の晩餐なのだろうか
俺も立ち上がった




今回の目標はM国の新型ユニット

作戦内容は
ホバーレイド隊単独による敵地偵察
敵基地での新型ユニットの奪取又は破壊 

作戦に参加するのは
ホバーレイド 一個小隊
ドロップシップ 三機


隠密行動なのでこれ以上の戦力は期待できない
肝心のホバーレイドは一世代前の?型
武装も18mバルカンの旧式
本国も余裕は無いのだ


敵地までかなり距離があるため、帰りは[ROC]での転送となる
[ROC]が破壊されればそれまでだ

作戦開始は一月二十一日 十八〇〇





基地を出発してからかなりの時間が過ぎた
「もう日付が変わっちまったぜ?いつ着くんだよ」
ウンザリした言い方で相棒はぼやいた
「私語を慎め、作戦中だぞ? それに今回は新入りも居る、良い所見せろ 先輩」
「ですが隊長 もうすぐ夜明けですよ?」
「この程度の我慢すら出来ないから嫁さんに逃げられるんだ」
無線でみんなの笑い声が聞こえる
「っかー どいつもこいつもすぐそれだ」
不貞腐れる相棒
部隊の空気が軽くなった
「もう着きますよ 我慢しましょ 先輩」
「うるせー 新米は黙ってろ!実戦は初めてだろう?敵サンに[袖の下]は通用しないぞ?」
と その時
「隊長 敵航空機らしき陰を確認」
空気が張り詰める
「ステルス[オリオン]か...多分偵察だろう こちらには気づいていまい 
しかし[ROC]が破壊されると厄介だ 4機俺に付いて来い 陽動をかける フェンネルお前が本隊の指揮を取れ」
「は?自分がですか?」
いきなりの抜擢に声が裏返ってしまう
「そうだ お前以外に適任は居ない」
「は、はぁ」
「返事が不明瞭だな 不明瞭な奴は死ぬぞ?」
 


・・・貴方なんて、戦争で死んでしまえばいいのよ・・・




いかん こんな時に...



「解かったか!?」
隊長の荒々しい声で正気に戻る
「諒解!」
「よろしい このまま直進で敵基地だ 二手に分かれたら光学迷彩を起動して突入しろ」
「突入って、それじゃバレバレじゃないですか?」
新米は多少怖気付いたようだ
「そうだな だから俺達が敵の気を引くんだ 新米はフェンネルに着いて行け」
「は、はい!」 
「では幸運を!散っ!」

隊長を初め、マレイン ステビア レモングラス 
そしてこの部隊の紅一点のキャラウェイが大きく右に逸れて行く
「それじゃまた後でネ 坊や」
新米にはもうそれを返す余裕は無かった




敵基地の警報が鳴り出す




気合を入れ無線で叫ぶ
「よし 行くぞ新米!」
「は、はい!」
「落ち着けよ新米 リラックスだよ リラックス それにしてもすっかり隊長さんだなぁ」
「ダンデ お前はもっと緊張しろ」
アンゼリカが間髪居れずに言った
「へいへ..い 解か...した.よ」
急に無線が荒くなった
レーダーには何も映らない

ジャンマーか!

俺はハッチを開け叫んだ
「隊長たちが相手にしてるのはステオリだ!これでは分が悪い!先にレーダーを叩く!行くぞ!」
相棒もハッチを開け怒鳴った
「[ウッヒョォォ]!面白くなってきたじゃねぇか!行くぞ新米!ビビんなよ!」
しかし新入りはハッチを開けない まあ敵地だからな
「見えたぞ!突撃!」




相手も隊長の部隊に気を取られ基地内には敵ユニットの姿は少なかった
「見えた!アレだ!ぶち壊せ!」
通じない無線で叫んだ が
相棒も撃ち始めていた 流石相棒だ
しかし新米に至ってはレーダーを打ち壊してから打ち出す始末 困ったもんだ
「はっは![俺のビックマグナム]に任せればあんなもん余裕よ!」
最初に聞こえてきた無線がそれだ 困ったもんだ

レーダーの爆発音でふと我に返った
隊長は?!
「隊長!無事ですか!?応答してください!」
必死に無線を送るが聞こえてきたのは
「・・・ザー・・・」
と言うノイズだけ

すでに泣きそうな声で新米は言った
「た、隊長は..?」
「落ち着け!隊長の事だ簡単にやられるわけが無い!」
俺もそう願いたかった 
が、隊長達を迎撃に向かった部隊が基地に[帰還]してくる

未だに敵新型ユニットの確認は出来ない
「この基地にあるはずだ!時間が無い!急いで探しだせ!」


険しい声でアンゼリカが呟いた
「敵航空機が[帰還]してこない...[ROC]がばれたか?」
背筋が凍った
[ROC]を破壊されると脱出する手段は自力
クロークを使用したため、もうエネも残り少ない

「アンゼ お前は新米と東側を調べてくれ バーベインとフェヌグリーンは北へ」
「俺等は?」
「俺達はここで敵の迎撃だ」
「おーおー そりゃ腕がなるねぇ とっとと見つけて着てくれよ」
「了解だ 行くぞ新米」
アンゼリカは言い終わる前に発進していた
「んじゃー後でなー」
こいつは未だに緊張感が無い...





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